AMCday1

はじめに

 こんにちは、つい先日までOMCという数学のコンテストで遊んでおりましたsalmonというものです。中難度幾何を力業で解く体育会系数学部の一員としてAMCに参加してみましたが、どうやら私が書きたいこと(主に体育幾何)は2日目以降の人が書いてくれるようです。ネタがないのでそこで自分にとっての数学なんてイキったかっこつけたものを書こうと思いましたが、そこまで強くない人の自分語りなんて誰も見たくないでしょう。なので今回はしょっぱなからカマそうというわけで数学以外の話題のハードルを下げる意味も兼ねて趣味の折り紙の話でもしようかと思います。なお、筆者はあまり文章が上手でないので適当に読み流していただけると幸いです。

折り紙沼に嵌る前

 皆様は折り紙をやったことがありますか?多くの読者は幼いころに折り鶴を折った程度の記憶しかないと思われます。私の小さい頃の折り紙に関する記憶といえば、上野の国立科学博物館のお土産に折り紙の本を買ってもらって挑戦したものの当時の私にはかなり難しかったようで途中で投げ出したことくらいしかありません。実際、そこそこ折り紙は好きだったぽいですが何か難しいものを折っていたわけでもないようです。今じゃ考えられませんね(下手の横好きは今の数学と同じですが)。今もうまくないだろ、というツッコミは置いておいて、こんな人がいつ頃から本格的にやるようになったんだとお思いになる読者もいる(頼むからいてくれ)でしょうが、それは受験を終えて中学へ入ってからのことです。

折り紙を始めてから文化祭に出展するまで

 先述の通り中学に入ってから折り紙を本格的に始めたわけですが、そのきっかけとしては入学して最初のクラスにものすごく折り紙が得意な人が2人いて、その人たちと仲良くなったことです。なお彼らは私と違って(ここ重要)ものすごく折り紙が上手です、本当に。(バハムートやエンシェントドラゴンを相当な完成度で仕上げたり、折り図を見ずに朝の2~30分程度でユニコーンを折り上げたり、他にも色々あります。)その年、彼らは文化祭で折り紙での装飾を担当し、私もその班に入ることを希望しました。決して撮影のために長時間拘束されるのを嫌ったからではないです、多分。そこで彼らに教わりながら作品を折っているうちに、彼らのように面白い作品を折れるようになりたいと思ったこと。翌年も彼らと同じクラスだったので、彼らはまた折り紙で装飾することになり、私もそこにまた加わりました。このように文化祭準備期間の間だけとはいえ2年折り紙を手伝ったことは私のスキルの向上に役立ったと信じています。(実際のところかなり怪しいですがね。)

 そのようにして迎えた3年目、クラス展示もなくなり有志で参加する余裕が生まれたため、彼らが折った作品を展示することになり、私は彼らに誘われて参加することになりました。(ここら辺曖昧です。友人方、訂正ありましたらご連絡ください。)最初の年は友人から簡単な本を借りたり、自分で簡単な本を買ったりしてそこにある中難度以下の作品(大体15cm×15cmで折れる50~60ステップ以下の作品)を夏休みの間片っ端から折りました。そして翌年にはようやく2種類の沈め折りを理解し買った本の最後の方にある作品の半分程度が折れるようになりました。こんな感じで文化祭はずっと折り紙をやっていたわけですが、とにかく折る人が3人しかいなかったので部活の方とあわせてかなり大変だったな~という記憶が強かったです。地味に当日の声出し宣伝が苦痛でした。陰キャここに極まれり。こんな感じで文化祭の出し物として折り紙をやっていたわけですが、高2になると各々部活の出し物以外をやるには時間の確保が難しくなり、結局受験終了後まで折り紙から離れることになります。

大学入学後

 受験が終わり、一般に人生の夏休みと言われている(本当か?by医学生)大学生になったので、受験のために中断していた折り紙を再開しようというわけで本を2冊買い、大きめの紙も準備したわけですが、ここで大きく大学生活を変えるものが2つ発生しました。OMCと皆様おなじみコロナです(後者は来なくてよかったのに)。特に後者は外出自粛によって大学の授業をことごとく潰し、休日の図書館ライフを崩壊させやがったことと引き換えに無限の(無限警察、お許しください!)暇を与えてくれました。折り紙は簡単なものでも意外と短時間では折れません(感覚には個人差があります)し、特に高難易度の作品は1つ折るのに5時間以上かかることもあります。そのような作品を折るためにはまとまった時間が必要だったため、この期間は高難度の作品を練習するのにちょうどよかったです。というわけで2月くらいの間、1日1つ、5~6時間かけて高難度の作品を折っていました。(こんな時間あったら精進しろとは言わないで)以降は大学も始まりOMCも本格的に始動して案の定忙しくなり、暇な時間を見つけては精進をさぼって折り紙をやる生活を送り続けて今に至ります。

折り紙の良いところ

 こんな感じで何年もだらだらと折り紙をやっているわけですが折り紙のいいところとは何でしょうか?あくまで私の意見ですが第一にとっつきやすいという点があると思います。大体の人は一度はふれたことはあるでしょう。また、極端に難しい作品を除けば大体の作品は15cm×15cmの紙で事足りますし、あとは書店に行って本を買えば準備は終わりです。見たことのないかもしれない折り方はせいぜい2種類の沈め折りですしこれらもそこまで難しくはありません。第二に他者へのウケがいいという点です。私の場合、残りの趣味が競技数学という世間一般的にはウケづらいものであるためこれだけだと正直界隈の人以外の他者との話題づくりに苦労します(お前がコミュ障なだけだろという指摘は受け付けておりません)。しかし折り紙があるとどうでしょう!不思議なことに周囲の人が競技数学の話題と比べて怪訝な反応をせずに話を聞いてくれるのです。素晴らしいですね!(クソデカボイス)第三に、結構集中して取り組めばかなり短期間で上達が見込めるという点です。実際中高四年間で折り紙をやっていた期間は合計しても5か月もありませんが、そこそこ難しい作品が折れるようになりました。第四に、自分で何かを作るということの楽しさを実感しやすい点です。この読者のほとんどは中高生であると思われるのでこのたとえになりますが、高難度の作品の性質上作業量も多く時間もかかるため、折っている最中は文化祭の準備をしているような感覚になりますし、終わった時の達成感が尋常ではないです。ratedで色変した時くらいは脳汁が出まあります。第五に、何といっても数学で証明できる性質がある点です。有名なものですと、折り鶴が折れる四角形の条件は内接円が存在することですし(演習:なぜこうなるのかを考えよ)、平坦折りの山谷の差は2であるという前川定理が存在します。このほかにも折り紙には良いところ、面白いところが沢山あります。コロナ禍でまだまだ外出しづらい世の中、家にこもって数学の精進をするのも楽しいですが、あまり長時間やっていると疲れてしまいます。そんな時、気晴らしに皆さんも折り紙をやってみるのはどうでしょうか?

 

※補足:2種類の沈め折りについて

沈め折りは、折り紙の折り方の中でも珍しく2種類存在します。聞いたことがない人も多いと思うので画像をつけて補足します。

 これが折る前の図です。上にうっすらとついているのが折り筋です。(折り鶴の途中まで折ったものに折り筋を入れてます。)

折ったものを正面から見るとこんな感じになります。

閉じた沈め折り(closed sink)を上から見るとこんな感じになります。折り方も単純で、出っ張ってる部分を折り筋のところまで内側に押し込むだけです。

開いた沈め折り(open sink)を上から見るとこんな感じになります。折り筋を境にして山谷が入れ替わるので、複雑な作品でこれを見るとかなり渋い顔になります。

作品紹介

最近折った作品を紹介します。(作者の敬称は省略させていただきます。)

鮭 吉野一生作

私です。という冗談はおいておいて、かなり最近買った本に載っていたやつです。実は尻尾の部分があまりうまくいってないので再チャレンジしたいですね。

スイホウガン ロナルド・コウ作

個人的に好きな作品の1つです。ほっぺたの袋がしっかりとある再現性と折りやすさの両立がきちんとされていることにに感動しました。

クリスマスツルー 有澤悠河作

 

季節もののネタですね。クリぼっちの皆様、お許しください。これ難易度が5段階評価の4だったんですが、普通の評価5より難しかったです。なににつけても難易度詐欺はよくないですね...(炎上発言)

グリフォン 勝田恭平作

ラスボス級のクソムズ作品です(1敗)。細部までかっこよく仕上がってますね。その分折るのに5時間もかかりましたし、終わった後首を痛めました...(PCばっかの生活+体に合わない枕が原因だが)しかしこれが収録されている本、これ並みに難しい作品がもうひとつあるんですよね...もう一つのやつ、難易度もそうだが重心的にちゃんと立つかなぁ...

 

オススメの本

 大多数の人は、折り紙をするには紙のほかに折り図が必要なのでそれが載っているオススメのというより私のお気に入りの本を紹介します。

初心者向け

 最後の方は少し難しいですがそれ以外は問題なく折れそうな難易度です。コラムに多少数学についても触れていますのでその点でもOMCerにはオススメですね。

 

中級者向け

 みんな大好き(?)「○○の(な)折り紙」シリーズの最初に出てきた本です。私が高校生の時は書店で気軽に買えるのはこの本と上の本くらいでした。いやー今はずいぶんと本が増えましたね。いい世の中になりました(笑)

上級者向け

 先述の○○の折り紙シリーズの最新刊...ではなくなった本。(最新刊は買ったもののまだ取り組めていない模様)表紙にもある死神は400以上のステップを要求してくるマジモンのバケモノ。これが折れるようになるのはいつになるのやら...
Amazonランキング1位】世界最高難易度のおりがみ本『新世代 究極のおりがみ』が4月23日に発売|株式会社西東社のプレスリリース

最後に

 いかがだったでしょうか?すまんかった。正直なところ、折り紙の楽しさが全て伝えられた気は全くしませんが、少しでも伝わっていればな~と思います。折り紙の腕は意外とすぐに上達しますし、わからないことがあったらTwitterで質問すれば誰かが返答してくれます。皆様も小さかったころを思い出して折り紙をやってみましょう!